リスニング力アップのカギ:音声変化を知ろう

私は昔、音声変化のルールを知らずに「とにかく大量に聞く」ことで英語を学ぼうとしていました。
経験則として少しずつ慣れることはできましたが、振り返って思うと、時間がかかり、効率もあまり良くありませんでした。
しかし、5つの音声変化のルールを理解した上で英語を聞き、まねて話す練習をすると、驚くほど効率的にリスニングとスピーキングの力が伸びます。

今回は、その学習の土台となる 5つの音声変化 を紹介します。


1. 連結(Linking)

語尾と次の語頭がつながる現象です。子音で終わる単語と母音で始まる単語が並ぶと、すっと一続きに聞こえます。

  • 例: turn off → 「ターンオフ」ではなく「ターノフ」
  • 例: take on → 「テイクオン」ではなく「テイコン」

👉 単語ごとに切って聞こうとせず、流れで聞くのがコツです。


2. 同化(Assimilation)

隣の音に影響されて、発音が変化する現象です。特に子音どうしで起こりやすいです。

  • 例: not yet → 「ノットイェット」でなく「ノッチェット」
  • 例: have to → 「ハブ トゥ」ではなく「ハフトゥ」

👉 音が変わるので「別の単語?」と錯覚しやすい部分です。


3. 脱落(Elision)

発音しにくい音が落ちる現象です。速い会話では特に顕著で、音が消えることで単語の形が大きく変わります。

  • 例: next day → 「ネクスト デイ」ではなく「ネクス デイ」
  • 例: friendship → 「フレンドシップ」ではなく「フレンシップ」

👉 消える音を意識すると、聞き取りが一気に楽になります。


4. 弱形(Weak Form)

英語では、意味上あまり重要でない単語が弱く短く発音されます。特に前置詞や冠詞、助動詞などの「機能語」でよく起こります。

  • 例: I want to go → 「アイ ワントゥ ゴー」ではなく「アイ ワナ ゴー」
  • 例: Can you do it? → 「キャン ユー ドゥ イット?」ではなく「キャニュ ドゥイッ?」

👉 強弱を聞き分けることが、ナチュラルな英語理解の第一歩です。


5. フラッピング(Flapping)

アメリカ英語特有の現象で、単語中の t が「ら行」に近い音になることです。

  • 例: water → 「ウォーター」ではなく「ワラー」
  • 例: better → 「ベター」ではなく「ベラー」

👉 アメリカ英語を理解する上で必須の知識です。


まとめ

  • 英語が聞き取れないのは「耳が悪い」からではなく、音声変化を知らないから
  • 主な音声変化は次の5つ:
     1. 連結(Linking)
     2. 同化(Assimilation)
     3. 脱落(Elision)
     4. 弱形(Weak Form)
     5. フラッピング(Flapping)
  • ルールを知った上で聞き取り・発話練習をすると、学習効率が格段に上がります。

👉 次回から、それぞれの音声変化を例文と音声付きで詳しく解説していきます。まずは 「連結(Linking)」 を取り上げます。

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